税金知識大解説! 中国輸入初心者必見



税金知識大解説! 中国輸入初心者必見!
中国輸入ビジネスの利益計算の際に知っておくべき重要な知識のひとつが、輸入の時にかかる税金です。
どんな種類の税金がいくらからかかるのかを正しく理解しておく必要があります。
この知識がないと、売上が上がってきたのに思ったほど利益が出ないことに、首をかしげることにもなりかねません。
今回の記事では、そういった事態を避けるため、中国輸入にまつわる税金の知識を、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
一度理解しておけば、その後ずっと使える知識ですので、是非、最後まで読んであなたのビジネスにお役立て下さい。
【中国輸入にかかる税金の種類】
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中国輸入にかかる税金には、関税と消費税があります。
関税を意識している人は多いと思いますが、どのように計算するのか分っている人は少ないのではないでしょうか。
また、消費税については、輸入時にかかることを知らない人もいるでしょう。
消費税率の10%(2022年8月現在)というのは、決して小さな数字ではありませんので、この機会にこちらの知識もしっかりおさえましょう。
◆関税とは
関税は一般的に商品を輸入する際に課せられる税金のことで、輸入者が国に納めるものです。
その目的は、国の収入源として公共サービスに利用することと、国内産業を保護することにあります。
関税がなければいろいろな輸入商品が安く手に入って消費者としては嬉しいのですが、安い海外製品に競合することができずに衰退していく産業が出てきます。そうなれば国力が低下し、我々の生活水準も下がるので絶対に必要な制度なのです。
関税は、輸入の目的、商品の種類、輸入先国の3つの要素で決まります。
輸入の目的は、個人が商品を利用するための個人輸入と、個人または企業が国内で販売するための商用輸入に分かれ、それによって課税対象額が変わります。
詳細は後述します。
商品の種類と輸入先国によって分かれる関税率は、内容が広範囲に及びますので、必要に応じて下記の税関ホームページを参照下さい。
◆消費税とは
消費税はその名の通り消費する際にかかる税金のことで、これを知らない人はいないと思いますが、輸入の際にも課税されるのは意外な盲点かも知れません。
輸入された商品が国内で消費される場合に消費税がかかるしくみであり、関税と同様に国内産業の保護の目的があるとされています。
【中国輸入にかかる関税について】
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ここでは、中国輸入にかかる関税を具体的に見ていきましょう。
関税額は、「課税対象額×関税率」で決まりますが、個人輸入か、商用輸入かによって、課税対象額が異なり徴収される金額に差が出ます。
◆個人輸入の関税
個人使用目的の場合の課税対象金額は、「商品代金(送料含めず)」の0.6倍です。
従って、関税は下記の計算で求められます。
個人輸入の関税=商品代金×60%×関税率
課税金額の合計が1万円以下の場合は免税となりますので、商品代金の合計が16,666円(10,000円÷0.6)以下は免税となります。ただし、「革製バッグ、パンスト、タイツ、革靴、手袋等」には免税措置はなく、ギフトであるケース以外は16,666円以下であっても課税の対象となります。
◆商用輸入の関税
商用目的の場合の課税対象金額は、「商品代金+送料・保険料等の諸経費」になり、個人輸入のように0.6掛けという減額はありません。
従って、関税は下記の計算で求められます。
商用輸入の関税=(商品代金+送料・保険料等の諸経費)×関税率
免税扱いとなる基準も「商品代金+送料・保険料等の諸経費」が1万円以下の場合と厳しくなります。除外貨物の条件は個人目的の場合と同じです。
ちなみに購入価格は外貨である場合が多いので、税関が発表する「外国為替レートの適用値」によって円へ換算されます。
【中国輸入における簡易税率と実行関税率】
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関税率には簡易税率と実行関税率の2種類があり、通常は実行関税率が適用されますが、課税対象金額によっては簡易税率が適用されます。
◆簡易税率とは
簡易税率は、課税対象金額が20万円以下の場合に適用される税率です。その際に分類される品目は7区分のみであり、実行関税率に比べるとシンプルでわかりやすいのが特徴です。
品目別の課税率は、下記の税関ホームページで確認できますので、該当する場合は参照してください。
◆実行関税率とは
実行関税率は前述しています通り、商品の種類や仕入先国によって法律や条約で細かく定められた関税率のことです。課税対象金額が20万円を超える場合に適用されます。
関税が国内産業の保護を目的としているので、各産業の海外との競争力によって関税率が変わり、またWTO協定など海外諸国と締結している条約によっても変化します。そのため税率は数千もの品目に分類されたものになります。
【意外と見落としがちな輸入消費税】
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輸入品にたいする消費税は、個人輸入・商用輸入ともにかかります。
国税庁のホームページによりますと、課税対象となる課税価格は「CIF価格+関税」となっています。CIFは「Cost Insurance and Freight」の略語で、関税のところで課税対象金額として説明した「商品代金+送料・保険料等の諸経費」と同じ意味です。
一般的に、輸入消費税は下記の計算式で求められます。
輸入消費税額=(商品代金+送料・保険料等の諸経費+関税)×10%
ただし、輸入消費税率は、関税で適用される簡易税率と実行関税率の場合と同じ課税対象金額条件に基づいて、下記のように税率が変わります。
◆輸入消費税率
・課税対象金額が20万円以下の場合:8% (内国消費税6.24%+地方消費税1.76%)
・課税対象金額が20万円を超える場合:10%(内国消費税7.8%+地方消費税2.2%)
また、輸入消費税も関税と同じく、課税対象金額が1万円以下の場合は免除となります。
輸入消費税に関する詳細は下記の国税庁ホームページで確認できます。
【中国輸入の税金計算事例】
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中国輸入にかかる税金の理解を深めるために、実際の商用輸入の例で計算してみましょう。
例えば、下記のような商品を仕入れた場合の関税額と消費税額はどうなるでしょうか?
実際の計算では端数の切り捨て処理などありますが、基本的に四則演算ですので、算数ができれば大丈夫ですので、参考にして下さい。
商品代金:500,000円
送料 : 18,000円
保険料 : 6,500円
諸経費 : 3,300円
関税率 : 5%
◆ 関税額の計算方法
最初に免税対象(課税対象額1万円以下)となるかどうかを判断します。
この場合、関税の課税対象額は下記の通り527,000円となるので、関税も消費税も免税対象に当てはまらないと判断できます。
・関税課税対象金額=商品代金+送料・保険料等の諸経費 (1,000円未満切り捨て)
・実際の計算:527,000円≒500,000円+18,000円+6,500円+3,300円
※ 関税課税額は1,000円未満を切り捨てるため、上記の計算結果は527,800円ですが、このケースの関税の課税対象額は527,000円になります。
上記端数処理後の関税課税対象額527,000円に対して関税率5%の関税額を計算すると、下記の結果となります。
・関税額=関税課税対象額×関税率 (100円未満切り捨て)
・実際の計算:26,300円≒ 527,000円× 5%
関税額は100円未満を切り捨てるため、計算結果は26,350円ですが、このケースでの関税額は26,300円になります。
◆消費税の計算方法
上記のように関税額を計算した後、消費税額を計算します。内国消費税と地方消費税を分けて計算する手順は下記の通りです。
・内国消費税額の計算方法
消費税対象額は、端数処理前の関税対象金額(CIF価格)と、端数処理後の関税額の合計額を1,000円未満切り捨てした額になります。
具体的に見ると下記の通りです。
・消費税対象額=商品代金+送料・保険料等の諸経費+関税(1,000円未満切り捨て)
・実際の計算:554,000円≒500,000円+18,000円+6,500円+3,300円+26,300円
この計算結果に基づいて、消費税課税対象額が20万円を超えているかいないかを見ることにより適用される消費税率を判断します。
この場合、消費税対象金額が20万円を超えているので、10%(内国消費税7.8%+地方消費税2.2%)の消費税率で、下記の通り計算します。
・内国消費税=消費税対象金額×内国消費税率(1円位未満切り捨て)
・実際の計算:43,210円≒554,000円×7.8%
消費税額は1円位未満を切り捨てるため、上記計算結果は43,212円ですが、このケースでの内国消費税は43,210円になります。
※
消 ・地方消費税額の計算方法
地方消費税は内国消費税額の22 /78(78分の22)となりますので、下記のように算出されます。
・地方消費税=内国消費税額×22/78 (1円位未満切り捨て)
・実際の計算:12,180円≒43,210円÷78×22
※ 消費税額は1円位未満を切り捨てるため、上記計算結果は12,187円ですが、このケースでの地方消費税は12,180円になります。
地方消費税は消費税対象額の2.2%で計算しても、下記のように結果は同じです。
・地方消費税:消費税対象金額×地方消費税率(1円位未満切り捨て)
・実際の計算:12,180円≒554,000円×2.2%
以上から、このケースでの関税、内国消費税、地方消費税の金額は下記の通りとなります。
・関税額:26,300円
・内国消費税:43,210円
・地方消費税:12,180円
◆税金計算事例まとめ
いかがでしたでしょうか?
計算の際に切り捨て処理の位が異なることもあり、少し混乱した人もいらっしゃるかも知れません。
その場合は、下記のように切り捨て条件を覚えておくといいでしょう。
・関税対象額及び消費税対象額:1,000円未満切り捨て
・関税額:100円未満切り捨て
・消費税額:1円位未満切り捨て
わかりにくい場合は、切り捨て処理をせずに計算しても、支払う税額の目安はそれほど大きく変わりませんので大丈夫です。
関税や消費税の計算方法は、非常に細かく分かれていて複雑です。
すべてを正確に把握するのは難しいかも知れませんが、今回解説した税金に関する計算方法の基本はしっかりおさえておきましょう。
そうすることで、実際の輸入の際により正確な利益計算ができるようになり、あなたの中国輸入ビジネスの支えになることは間違いないでしょう。
税額計算方法の詳細は、下記の税関のホームページにありますので、詳しく知りたい方はご参照ください。
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